クリーンルームの仕事|入室手順と働く環境

求人票で「クリーンルーム内作業」と書かれているのを見て、どんな場所なのか想像しにくかった方も多いと思います。空調が効いていて快適そう、でも入るのが面倒そう。その両方が実際のところです。この記事では、クリーンルームの仕事の中身、入室の手順、働くうえで知っておきたい点をまとめてお伝えします。
クリーンルームとは
空気中のちりやほこりを、決められた水準まで少なく保った部屋のことです。温度と湿度も一定に管理されています。
なぜそこまでするのか。小さなちり一粒が製品の不良につながるものを扱っているからです。
どんな製品で使われるか
- 電子部品、半導体関連
- 精密機器、光学部品
- 医薬品、医療機器
- 食品の一部の工程
- 自動車部品のうち、精密な仕上げが求められるもの
入室までの流れ
クリーンルームでの1日は、入室の手順から始まります。慣れるまでは時間がかかりますが、覚えてしまえば流れ作業です。
- 更衣室で私服を脱ぐ:指定された下着やインナーに着替える職場もあります
- 手洗い・消毒
- 専用の作業服を着る:上下つなぎ、フード、マスク、手袋、専用の靴。順番が決められています
- 粘着ローラーをかける:作業服に付いたちりを取ります
- エアシャワーを通る:風を吹き付けて、残ったちりを落とします
- 入室
着替えからエアシャワーまで、慣れると10分前後で済むことが多いです。この時間が労働時間に含まれるかどうかは職場によって扱いが異なるので、気になる方は確認しておくとよいですね。
POINT
着る順番や粘着ローラーのかけ方にはきちんと理由があります。「上から下へかける」「床に触れた部分は触らない」といった決まりは、ちりを持ち込まないための手順です。最初は覚えることが多く感じますが、数日で体が覚えます。
持ち込みが制限されるもの
職場によって細かさは違いますが、次のようなものは制限されることが多いです。
- 紙製品(繊維が出るため、専用の用紙を使います)
- 鉛筆、消しゴム
- 私物の筆記具、スマートフォン
- 化粧品、整髪料(粉状のものは特に制限されやすい)
- アクセサリー、腕時計
- 飲食物
身だしなみで求められること
- 爪を短く切る
- ネイル、まつげエクステが制限される場合がある
- 髪をまとめる(フードから出ないように)
- 香りの強いものを避ける
この点は入職前に確認しておくと、当日に困りません。
中での仕事の内容
クリーンルームだから特別な作業をする、というわけではありません。行われているのは一般的な工程です。
- 組立:小さな部品を手作業で組み合わせる
- 検査:拡大鏡や顕微鏡を使った外観確認、寸法の測定
- 機械のオペレーター:装置に材料をセットし、取り出す
- 包装:完成品を袋詰め、箱詰めする
- 運搬:台車で工程間を移動させる
重い物を持つ場面は少なめで、細かい手作業が中心になる職場が多いですね。
働く環境として見たときの良い点
- 温度と湿度が一定:夏の暑さ、冬の寒さの影響を受けにくい
- 清潔:油汚れやほこりで作業服が汚れることがほとんどない
- においが少ない
- 力仕事が少ない:体力に自信がなくても続けやすい
- 静か:大きな機械音の中で働く工程に比べると落ち着いています
大変だと感じやすい点
出入りに手間がかかる
ここがいちばん大きな違いです。
- トイレに行くたびに、着替えとエアシャワーをやり直す
- そのため、休憩のタイミングが決まっている職場が多い
- 水分補給が自席でできない
装備による窮屈さ
- フードとマスクで顔まわりが覆われる
- 眼鏡が曇りやすい
- 手袋をしたままの細かい作業に慣れが必要
- 閉塞感を感じる方もいます
その他
- 会話がしにくい(マスクと空調音のため)
- 空調で乾燥しやすく、肌や喉に影響を感じる方もいます
- 静電気対策のため、リストバンドを着ける工程があります
ここは要チェック
トイレの回数が多い方、こまめに水分を取りたい方は、休憩の取り方を必ず事前に確認してください。「決まった時間以外は出られない」職場もあれば、「声をかければいつでも出られる」職場もあります。体調に関わる部分なので、遠慮せずに聞いておきましょう。持病がある場合も、あらかじめ相談しておくと配慮を受けやすくなります。
向いている人
- 決められた手順を守るのが苦にならない
- 細かい手作業が好き
- 清潔な環境で働きたい
- 暑さや寒さが苦手
- 黙々と作業に集中したい
合わないと感じやすい人
- 自由に出入りしたい
- 顔まわりを覆われるのが苦手
- 体を大きく動かす仕事がしたい
- 作業中によく人と話したい
応募前に確認したいこと
- 入室の手順にかかる時間と、その時間の賃金の扱い
- 休憩の回数とタイミング
- トイレに行きたいときの手順
- 作業服は貸与か、洗濯はどちらが行うか
- 身だしなみの決まり(ネイル、まつげ、髪型)
- 立ち仕事か座り仕事か
- 拡大鏡や顕微鏡を使う工程か
- 交替勤務の有無
最後に
クリーンルームの仕事は、出入りの手間という分かりやすいデメリットと、環境の快適さという分かりやすいメリットが同居しています。
暑さ寒さの影響を受けず、汚れず、力仕事も少ない。この条件を優先したい方には、続けやすい職場になりますよ。逆に、自由に動き回りたい方には窮屈に感じられます。自分がどちらを重く見るかで判断してみてください。
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