グリスとは|オイルとの違い・種類と工場での使われ方をわかりやすく解説

グリスガンでベアリングの給脂口にグリスを補給する手袋の手元

工場の機械のメンテナンスや、自転車・車の整備でよく耳にする「グリス」。「オイルと何が違うの?」「どこに塗るもの?」と疑問に思ったことはありませんか。この記事では、グリスの意味と役割、オイルとの違い、主な種類、そして工場の現場でグリスに関わる仕事を解説します。

グリスとは

グリス(grease)とは、機械の動く部分の摩擦を減らすために使う、半固体(ペースト状)の潤滑剤です。「グリース」と表記されることもあります。

見た目はバターやマヨネーズのような柔らかい固まりで、塗った場所にとどまりやすいのが特徴です。

グリスの役割

  • 摩擦・摩耗を減らす:金属同士が直接こすれ合うのを防ぎ、部品の寿命を延ばす
  • 焼き付きを防ぐ:摩擦熱で部品がくっついて動かなくなるのを防ぐ
  • サビを防ぐ:表面を覆って水や空気から守る
  • ゴミや水の侵入を防ぐ:隙間をふさぐ「シール」の役割も果たす

グリスとオイルの違い

  • オイル(潤滑油):液体。流れて広がるので、循環させながら全体を潤滑するのに向く。エンジン内部など
  • グリス:半固体。その場にとどまるので、頻繁に給油できない場所や、漏れると困る場所に向く。ベアリング・ギア・可動部の軸など

実はグリスは、オイルに増ちょう剤(とどまらせるための成分)を混ぜて半固体にしたものです。つまり、オイルを「その場にとどめる形」にしたのがグリスと言えます。

POINT

ざっくり言えば、「流して使うのがオイル、塗ってとどめるのがグリス」です。工場の機械では、目的に合わせて両方が使い分けられていますよ。

グリスの主な種類

  • リチウムグリス:最も一般的な汎用グリス。耐熱性・耐水性のバランスがよく、幅広い機械に使われる
  • ウレアグリス:高温に強く、長寿命。ベアリングなどに使われる
  • モリブデングリス:二硫化モリブデンを含み、重い荷重がかかる部分に強い
  • シリコングリス:ゴムや樹脂を傷めにくく、電気部品や水回りにも使われる
  • 食品機械用グリス:万一食品に触れても安全性に配慮された専用品。食品工場で使われる

工場でグリスに関わる仕事

設備保全(メンテナンス)

工場の機械を止めずに動かし続けるため、決められた周期でグリスを補給する「グリスアップ」は、保全担当者の基本業務です。どこに・どのグリスを・どれくらい入れるかが決まっていて、点検表に沿って作業します。

組立工程

ベアリングやギアを組み付ける工程では、部品にグリスを塗布する作業があります。塗る量が多すぎても少なすぎても不具合の原因になるため、専用の塗布機や決められた手順で作業します。

ここは要チェック

グリスは種類を混ぜて使うと性能が落ちることがあります。現場では「この機械にはこのグリス」と指定されているので、自己判断で別のグリスを使わないことが大切です。手に付いたら作業後にしっかり洗い流しましょう。

最後に

グリスとは、機械の動く部分の摩擦を減らす半固体の潤滑剤。オイルを「その場にとどまる形」にしたもので、ベアリングやギアなど、頻繁に給油できない場所で活躍します。

工場の保全や組立の仕事では毎日のように使う身近な存在です。役割が分かると、現場の仕事への理解がぐっと深まりますよ。

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