無期雇用派遣とは|登録型派遣との違いと注意点

派遣の求人を見ていると「無期雇用派遣」という言葉に出会うことがあります。普通の派遣と何が違うのか、正社員とは別物なのか、分かりにくいですよね。この記事では、無期雇用派遣の仕組みを登録型派遣と比べながら整理し、向いている人・気をつけたい点をお伝えします。
まず「登録型派遣」を整理する
一般的にイメージされる派遣は、こちらの登録型です。
- 派遣会社に登録しておき、仕事が決まったときにその期間だけ雇用契約を結ぶ
- 契約期間は3か月など期間が定められている(有期雇用)
- 派遣先での就業が終われば、雇用契約も終了する
- 次の仕事が決まるまでの間は、給与は発生しない
無期雇用派遣とは
派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方です。派遣先が変わっても、派遣会社との雇用関係は続きます。
- 雇用契約に終了期日がない
- 派遣先での就業が終わっても、派遣会社の社員であり続ける
- 次の派遣先が決まるまでの待機期間も、雇用関係は継続する
- 月給制を採用している会社が多い
2つの入り口
無期雇用派遣になる道筋は、大きく2つあります。
- はじめから無期雇用派遣として採用される:選考を経て入社する形
- 無期転換ルールによる:同じ会社との有期雇用契約が通算5年を超えた場合、本人が申し込めば無期契約に転換できる(労働契約法にもとづく仕組み)
POINT
無期転換は本人が申し込むことで成立します。条件を満たしても自動的に切り替わるわけではありません。長く同じ派遣会社で働いている方は、自分が対象になっているか担当者に確認してみてください。
登録型派遣との違い
| 項目 | 登録型派遣 | 無期雇用派遣 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 期間の定めあり | 期間の定めなし |
| 就業終了後 | 雇用も終了 | 雇用は継続 |
| 賃金の形 | 時給が中心 | 月給の会社が多い |
| 3年の期間制限 | 対象 | 対象外 |
| 派遣先の選択 | 断る自由度が高い | 会社の指示に従う面が強い |
| 入るときの選考 | 登録が中心 | 選考がある |
3年の期間制限が外れる意味
派遣には「同じ組織単位で働けるのは原則3年まで」という期間制限があります。ただし派遣元と無期雇用契約を結んでいる人は、この制限の対象外です。
気に入った職場で長く働きたい方にとっては、これが大きな違いになります。3年で異動や契約終了を検討する必要がなくなるためですね。
無期雇用派遣の良い点
- 雇用が安定する:契約更新のたびに次を心配しなくてよい
- 就業先が変わっても収入が途切れにくい:待機期間中も雇用関係が続きます
- 3年の期間制限を受けない:同じ職場で長く働ける
- 月給制の場合、月ごとの収入のばらつきが小さい
- 教育訓練の機会が用意されやすい
- 社会的な信用:住宅の契約やローンの審査で有利に働くことがあります
気をつけたい点
派遣先を選ぶ自由度は下がる
雇用が安定する代わりに、会社からの就業指示に応じる度合いが強くなります。登録型のように「この仕事は条件が合わないので見送ります」と気軽に断りにくくなる面があります。
- 勤務地の範囲が広がる可能性がある
- 希望と異なる職種を打診されることもある
- 異動の範囲が契約に定められている場合があります
収入の考え方が変わる
- 月給制の場合、稼働日数が多い月でも支給額は基本的に一定です
- 時給×残業でたくさん稼ぎたい方には、合わないことがあります
- 逆に、月ごとの変動が小さいので生活設計はしやすくなります
正社員とは違う
ここは誤解されやすい点です。無期雇用派遣は派遣会社の社員であり、就業先の正社員ではありません。
- 働く場所は派遣先で、指示も派遣先から受けます
- 賞与や退職金の有無は、派遣会社の制度によります
- 派遣先の正社員登用とは別の仕組みです
ここは要チェック
無期雇用派遣の条件は派遣会社によってかなり違います。賃金の決め方、賞与の有無、待機期間中の扱い、勤務地の範囲、退職の申し出方法。これらは会社ごとの制度なので、契約前に書面で確認してください。「無期雇用だから安心」と一括りにせず、中身を見ることが大切です。
向いている人
- 雇用の安定を最優先したい
- 同じ職場で3年以上働き続けたい
- 月ごとの収入を一定にして生活設計をしたい
- 住宅の契約やローンを考えている
- 勤務地や職種にある程度の柔軟性がある
登録型のほうが合う場合
- 働く期間や職場を自分で選びたい
- いろいろな職場を経験してみたい
- 残業を含めてたくさん稼ぎたい
- 家庭の事情で働ける期間が限られている
- 勤務地を動かしたくない事情がある
検討するときに確認したいこと
- 賃金の決め方:月給か時給か。残業代の扱いはどうか
- 賞与・退職金:制度があるか
- 待機期間中の賃金:どのように支払われるか
- 勤務地の範囲:どこまで異動の可能性があるか
- 職種の範囲:希望と異なる仕事を打診される可能性
- 就業先を断れるか:どこまで希望が通るか
- 教育訓練の内容
- 退職したいときの手続き
POINT
今の職場で長く働きたいという理由なら、派遣先の直接雇用や正社員登用という道もあります。無期雇用派遣と、どちらが自分の希望に近いかを比べてみてください。担当者に「長く働きたい」と伝えれば、両方の可能性を検討してもらえますよ。
最後に
無期雇用派遣は、雇用の安定と引き換えに、就業先を選ぶ自由度が下がる働き方です。3年の期間制限を受けないため、同じ職場で長く働きたい方には有力な選択肢になります。
ただ、条件は派遣会社ごとにかなり違います。「無期雇用」という言葉だけで判断せず、賃金、勤務地の範囲、待機期間の扱いまで書面で確認してから決めてくださいね。迷ったときは、直接雇用への道と比べてみるのもおすすめです。
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